2014年12月29日月曜日

機龍警察シリーズ

数年前から月村 了衛の機龍警察シリーズを読んでいます。

テロや民族紛争の激化に伴い発達した二足歩行の兵器が持ち込まれて起こる国内テロ、それを阻止すべく警視庁が導入した新型機“龍機兵”、それに乗る警視庁が契約した3人の傭兵、それを運用するために設立された特捜部、何もかもが特別扱いとなるがために起きる警察内での軋轢に苦しむ特捜部捜査員、そして龍機兵の秘密を狙う謎の組織・・・という作品です。

最初の「機龍警察」は文庫だったこともあって、2010年にとりあえず買って流し読みした感じでした。コンセプトは分かるけど、なんとなくしっくりこない感じでした・・・

2011年の「機龍警察 自爆条項」はどはまりでした。いや~単純にすごい、面白いと思いました。
北アイルランド紛争のことを日本の小説で読めるとも思いませんでしたし、描写も浮いた感じがなく、深くて、新鮮でした。
(「自爆~」がシリーズ中一番面白いと思います。)

その後の「機龍警察 暗黒市場」、「機龍警察 未亡旅団」と読み続け、シリーズ外ですが自衛隊ものの「土漠の花」にいって、「機龍警察 完全版」と読みました。

「完全版」は最初の文庫版で出たものを加筆、巻末に著者の解説等を収録してあります。

著者解説にも書いてありましたが、このシリーズはロボットものではないんですね。
警察にロボット部隊?があるので、パトレーバーに似た設定と言えなくもないですが、こちらはあくまでも警察小説ですね。日本にテロが流入するということだけだと、大げさだったり、嘘っぽさがでてしまいがちなので、ロボットというSF要素を盛り込んで「そういうのもあり」にしてしまっているんですね。

この「完全版」は、文庫で最初読んだときのしっくりこない感がなく、楽しめました。
しっくりこなかったのは、次作以降の「自爆~」、「暗黒~」で描かれる部分の触れ方が、唐突かつ不十分だったからだと気づきました。いろいろと盛り込みすぎで消化しきれていない(または読む側が消化しきれない)のだと思います。両方を読んだあとだと、しっくりきました。

で、今、最新作の短編集「機龍警察 火宅」を読み始めました。いきなり思いっきりの警察小説でした。これはこれでよい感じです。

短編もよいですが、早く長編の次回作を読みたいです。

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